債権者代位権

ポイント

場合によっては10年以上かかるロングスパンの事業であ大型開発案件は、完成までに数年、り、2017年は、たまたまそうした案件が集中的に完成を迎えたことに加え、造成した土地が順調に売れたこともあって、いっきに収入がふくれあがり、200億円の大台に乗ったのだと、冷静にみている。Mは、まだ社員数40人程度の規模の会社ですから、このままの勢いで成長していこうとすれば、必ず無理がくるはずです。無理をすれば、必ずどこかに歪みが生じます。その結果、思いもよらなかった苦境に陥っていくのです。私は、そんな企業を、これまでにいやというほど見てきています!2017年の売上をさらに伸ばしていこうとすれば、たとえば、早急に人員拡充を図らなければならない。
だが、人は単に頭数を増やせばいいというものではなく、Mが要求するだけの仕事をこなせる人材に育てあげるには、それなりの時間がかかる。数字合わせだけの成長を実現したとしても、そのすべてがMの実力だと言えるかどうか。答えは明らかではないか。絶対に成し遂げたい大きな目標がある。
それに小林には、急成長すること以上に、それは100年企業にしたい、Mを100年後も存続させたいということだ。強い願望だと言ったほうがいいかもしれない。
これは、目標というよりは、実際、100年100年企業生き残る企業は想像以上に少なく、日本におけるは全企業10.2$03%しかないのが実状だからだ。
新賃借人が破産者100年のあいだには、経営者は最低でも3代は入れ替わり、顧客は4世代入れ替わると考えられている。さらに、時代はもっとめまぐるしく入れ替わり、企業を取り巻く変化していく。その変化に対応していくのは、並大抵のことではない。「特に不動産事業は時代の変化の影響をもろに受けるビジネスです。政策の変更もよくあり自己努力を上まわる変化に翻弄されることも珍しくありません」と、だからこそ小林は、小林は自らに語り聞かせるような口調で語る。
時々の環境の変化に翻弄されがちな不動産業でありながらも、着実に、自然体で成長を遂げていく、堅実に、そう揺るがすことがないのであるいう姿勢の企業であり続けていきたいという決意を200年という長い時間をかけて木を育てていくという。林業では、100年できるだけ厳しい環境で、ゆっくりと時間をかけて育てた木の年輪は間隔が狭く、堅く引き締まった樹質になる。
一方、数年で大木に育つ南洋材の年輪は間隔が広く、樹質は弱くてもろい。小林は、Mを、きっちり締まった年輪を持つ、最高の質を誇る企業として育てていこうと決意しているのだあせるな、小林の端然と揺るがぬ姿勢からは、そんな言葉が一歩一歩進んでいけ聞こえてくるようだ。

安全·確実経営を確保しているからこそ取れるリスク経営者のなかには、手堅くこつこつ稼いでいくタイプの経営者もあれば、端の目には身の程知らずと映るほど大胆なチャレンジを仕掛ける経営者もある。この2つのタイプは、ある意味で相反する資質を要するため、両方を備えることはほとんど不可能と言ってよいけうところが小林は、その2つを兼ね備えた稀有な経営者だ。
足元はしっかりと、しかし目線は常にその先の、より高いところを見つめて、常に挑戦してきた前項で、小林は成長を急がないと書いたが、言うまでもなく、成長を望まないそれはととはまったく違う。
小林自身、「成長しようとする姿勢や拡大傾向は、たえず持っていないと結果的に企業の活力が枯渇し、企業の存続そのものが危うくなる」と断言している。

相続人以外

むしろ小林の持つ成長への意欲は人一倍強いくらいなのである「たとえば、ヘッドリース事業におけるテナントの業態変更も、市街化調整区域開発事業も同じですが、Mが今日まで成長できたのは、常に挑戦し続けてきたからだと自負しています」と、小林は.だが、それを可能にしたのは、小林のみごとなまでに計算され尽くした経営理念があるためだ。
小林は常こう考えてきた。企業経営を成功させるためには、まず安定した収入基盤があることと、次に、たえずストックを持っていることが大事だ。この2つが不十分だと、せっかくのチャンスを前にしても挑戦することはかなわず、結果的に企業は飛躍も成長もできないのだ、と。ヘッドリースというコア事業のおかげで定期的な収益があり、Mは、経営の基盤はきわめて安定している。

その余剰金をしっかりストックにまわしているため、さらに、資金状況は大手銀行が高く評価するほどに堅実で潤沢だ。市街化調整区域の開発を手掛け始めたばかりころは、先が読めないことに不安小林自身、を感じたこともなかったわけではないそうだが、それでも問題を一つひとつクリアし、前に進んでいくことができた。その前進を支えたのは、Mには安定的な収入源と潤沢なストックがあったからだ。

もし、それがなかったら、小林といえどもたじろぎ·開発にブレーキを踏んだ可能性も、けっして小さくはなかっただろう。その裏づけのうえでの勇気ある挑戦。周到な経営計画と理念、および、それを可能にしたのは、小林の、周到で手堅い経営手腕があったからなのだ。

税務署側常に万全を期した、の受賞が物語る、数小林の経営手腕しだいに人の知るところとなり、小林の優れた経営手腕は、これまでに多数の顕彰に輝いている。ここで、顕彰歴を紹介しよう。第32回優秀経営者顕彰地域社会貢献者賞2015年1月日刊工業新聞社が、中堅·中小企業の優れた経営者を表彰するために設けている賞で、全国の金融機関などから推薦を受けた候補者から他の企業の模範となる経営者を選んで表彰している。
賞は、研究開発者賞、女性経営者賞など、いくつかのカテゴリーに分かれ、それぞれからその年の優秀経営者が選ばれる。Mの受賞は、「不動産開発で産業の発展、地域活性化に尽力。市街化調整区域の大規模開発が得意で、時に100を超える地権者と共に5S10年かけて工業物流団地や商業施設用

地に生まれ変わらせてきた。

雇用、インフラ整備、税収面を含め、貢献度が高い」点が高く評価された結果である贈賞式は東京·大手町の経団連会館で行われ、晴れの席で小林は、「最近、規模の大小を問わずますます社会貢献することを強く意識するようになっています。事業には公共性が必要で、地域や街としてプラスになる開発でなければ意味がありません」と、日ごろからの信念をおおいにアピールしていた。

しんきんゆめづくり大賞2015年度東京都信用金庫協会が毎年、企業会員のなかから他の規範となる企業を厳選して、優良企業ゆめづくり大賞ものづくり大賞として表彰しているもの。
顕彰ゆめづくり大賞を受賞している。
受賞理由は、「地域活性化にMは2015年ににおいて、向けた大規模市街化調整区域の開発」特に地元住民と一体となって進めていく姿勢が評価された結果である

多摩グリーン賞最優秀賞2013年優秀賞2015年ビジネスモデ多摩信用金庫が主催する、多摩地区で活躍する中小企業の優れた技術や製品、ルを表彰する制度。

ものづくり大賞

多摩信用金庫では、この顕彰により、多摩地区の中小企業の活性化と地域経済の振興に寄与することを目的にしている。多摩ブルー賞多摩グリーン賞の2つがとあり、多摩ブルー賞優れた技術·製品に対して贈られ、多摩グリーン賞は経営部は特に新しいビジネスモデルに対して贈られる。

門、「地域活性化に向けた大規模市街化調整区域の開発」が高く評価され、Mは、多摩グリーン賞最優秀賞に輝いた。地域課題の解決3年にその翌々年の2015年にはにより、多摩グリーン賞優秀賞も得ている。
に向けたヘッドリース事業市街化調整区域開発事業とヘッドリース事業という異なる事業であるとはいえ、多摩グリーン賞をひとつの企業が2度にわたり受賞することは、きわめて珍しい。

不動産ビジネスが揺らぐことは永遠にない負動産最近では、という言葉がすっかり定着してきている感がある。2017年12月からは朝日新聞が負動産時代というシリーズ企画を掲載するほどだ。これからの時代、不動産持っているだけで負担になるというネガティブ論が、の価値は減ずる一方であり、より広く浸透してきているようなのだ。
2020年の東京オリンピックの開催を控えて、特に東京都心エリアでは、オリンピック特需と言われる不動産価格の高騰が続いている。
建物を父から子供に贈与するだが一方では、オリンピック後の不動産市場への懸念が囁かれているのも事実である加えて2022年には生産緑地が放出されることも決まっている。生産緑地とは、年に施行された改正生産緑地法により、農業継続を条件に固定資産税などの減額措置を受けて東京などの都市部圏を中心に総面積1万ヘクタール以上という広大な土地がきた土地を言う。2022年には指定期間である30年を迎え、指定措置を解かれるのだ。
このうち、かなりの土地が宅地となって不動産市場に放出されると予測されているまた、2025年には団塊世代が後期高齢者に入り始め、大量の土地相続が発生するだろう。これらの多くも売却されると考えられる。こうしたことから、地価が大きく下落する懸念はふくらむ一方なのだ。
「負動都市部でさえ、その懸念を象徴するものにほかならない産」という言葉は、「不動産ビジネスが揺らぐことはないはずだ」しかし小林は、と言い切る「人の営みや社会の活動は、いつの時代も土地の上で行われてきています。
人が生きているかぎり、不動産ビジネスが衰退していくことはありえないでしょう」これが、小林を支える不動の信念なのである変化を鋭く読み取る先見性が勝負を分ける社会はたえず変化していきます。これは、いまに始まったことではありません。創業30年という当社でも、何度も時代の大きな変化に直面してきましたと、小林は言う。そして、これまで詳述してきたように、小林はその変化をいち早く読み取り、機敏に対応してきた。
だからこそ、Mのいまがあるそして、眼力と姿勢を保ち続けることこそが、今後もそうしたMを100年企業へと導いていく力になると、小林は確信している。
たとえば……と、小林は胸の内を明かし始めた。市街化調整区域現在、Mの経営の大きな支柱になっているでの大型開発案件も今後は新たな方向性が求められているという。